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超音波センサー
原理と使い方&選び方

〜光電方式との違いは?

Reported by 荒井貞博

 距離を測るセンサーとして、光・超音波を使うものがあります。それぞれ目的に合わせて選択する必要があります。今回は超音波センサーについて解説いたします。

●超音波センサとは
 超音波センサとは送波器(スピーカー等)により超音波を対象物に向け発信し、その反射波を受波器(マイク等)で受信することにより、対象物の有無や対象物までの距離を検出する機器です。超音波を発信側から出てきたものを受信側で跳ね返ってきた強さを測るというものと、一瞬だけ発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することでセンサから対象物までの距離を算出する2つの方式があります。

 検出対象物体の色や表面状態に影響されにくい特長があります。また、透明体(透明フィルムや透明ガラス等)を非接触で検出する場合に適しています。表面形状の安定しない粉体や液面のレベル測定にも対応します。光の変化量で判断する光電センサと違い、汚れや埃による影響を受けません。
 幅広い検出レンジなのも特長。製品にもよりますが、15cm〜6m や 30cm〜10m等の範囲をカバーします。分解能としては1cm前後です。

 自然界では、夜になる視界飛行が出来なくなる為にコウモリ(蝙蝠)が超音波を喉から出して反射した超音波を耳で聞いて障害物を検出しています。イルカ・クジラ(鯨)も水中で超音波を出して視覚の代わりにしています。・・・潜水艦のソナーですね。
 センサー中身はほとんどが圧電セラミック振動子(圧電素子)を使っていて、送信用と受信用に別れているものが多いのですが、一体型のものもあります。

 圧電素子は交流電圧を加えると素子が振動し、固有の振動数を持ち、その周波数と同じ周波数の交流電圧を加える事で効率良く振動します。2万Hz(20kHz)以上の振動数を持つ圧電素子にスピーカーのようなコーンを取り付けて交流電圧を加え超音波が発生します。超音波センサーは通常23k〜400kHzのものがあり、一般的に40kHz(数センチ〜数mの測距に使用)のものが多く使用され、長い距離を測定するには低い周波数、短い距離を正確に測るには高い周波数のものを使用します。超音波は温度によって伝わり方が変わるので、温度補正を行う必要があります。


 
近藤科学
超音波センサー USTX-1
送信ユニット
近藤科学
超音波センサー USRX-1
受信ユニット
・アナログ出力タイプ
浅草ギ研
超音波距離センサー PING)))
送受信ユニット
・パルス幅出力タイプ

   
MaxBotix社
超音波センサ LV-MaxSonar-EZ4(MX007)
送受信一体ユニット
・パルス幅出力
・アナログ電圧出力
・シリアル出力(TTLレベル負論理)
レゴ社
NXT超音波センサ WPT9846
送受信ユニット
・I2C出力タイプ
 

●距離の計測
 超音波は音なので常温の空気中を約340m/s(水中では約1,530m/s)の速度で伝わります。つまり、音は1cmの距離を約 2μsecの時間で進みます。従って超音波を発射してから物体に反射して戻ってくる迄の時間を測定すれば、超音波の送受波器から物体までの距離を測ることができます。超音波を発射してから、反射波が検出されるまでの時間を t (μsec) とすると、物体までの距離 D は
 D = 0.5T * 340 * 0.001 = 0.17t (mm)
という計算式で求められます。また先に触れたように、計測精度を高める場合には温度補正を行ってください。


●音速とは
 空気中での音速 V は近似式として、
 V≒331.5+0.61 θ (m/s) θ :気温(℃)
で表わされます。気温が変われば音速が変わり、これが温度差による距離測定誤差となります。


●温度の影響について
 周囲温度によって音速が変化するので物体迄の距離を常に精度よく測定するには温度補正が必要となります。一般に超音波の伝播速度は速度を V (m/s)とすると、
 V =331.5+0.60714T  ※ T :温度(℃)
と表されます。またこの時、超音波の発信源から物体までの距離をD (m)、音波が発射されて戻ってくる時間を t (s) とすれば、
 t = 1/2*D*V
となります。


□https://ja.wikipedia.org /wiki/超音波
□https://ja.wikipedia.org/wiki/反響定位


2010/04/27